2013年05月12日

環境問題に関する啓蒙書の善し悪し

練馬から教育で世界を変える!
西武池袋線・石神井公園駅前の個別指導塾FORWARD塾長、松尾であります。

その西武池袋線に乗っていたら、子供向けの映画の宣伝を見かけました。わざわざ宣伝するくらいだと、有名なのか??と思ったら、普段からNHKで放映しているそうで。ザッとwikipediaで内容を見たところ、環境問題がひとつのテーマで、環境よりお金儲けを優先してしまう悪者が登場するとか。

ちょっと、違和感を感じました。環境問題というのは、我々全員が加害者であるような問題です。どこかに悪者がいて、自分たちは正義の味方として悪者を糾弾できる、という性質の問題ではない。まぁ、子供向けの環境問題に関する啓蒙書の多くが陥る問題なので、今さら目くじら立てる事でもない、という感じもあるのですが。

環境問題に関する啓蒙書(しかも子供を意識して読みやすいもの)の中では、古い作品ですが、あさりよしとお氏の「まんがサイエンス」第四巻が私は良い作品だと思います。何の罪の意識もない子供達(主人公達)が、環境問題の加害者、原因である、という点をきちんと明確に指摘しています。(しかも大人が見ても楽しい)



まぁ、もともと小学校高学年向けに書かれたものなので、NHKのアニメとは対象年齢がまったく違いそうですが……幼児教育は私の専門外なので、「10代にもなったら『悪者が環境破壊をする』では困る」とだけ主張しておこうと思います。
実は公立中高一貫校の過去問で、環境問題について子供の立場から大人を糾弾するような演説草稿が課題文として出た事があるのですが、上記の理由で非常に違和感を感じました。問題をあげつらうだけでなく、自省がなけりゃいけません。
posted by FORWARD-ac at 21:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 教材について

2012年05月02日

小学生の辞書選び

先日、小学校高学年で辞書を買い直そうと思うが、何かお勧めの辞書はあるか、というご質問を頂きました。残念ながら、明確な推奨の辞書というものは無いのですが……思いつく限りを書いてみます。

小学校高学年で国語辞典を新規購入するということでしたら、小学生向けのものではなく、中学生向けや大人向けを買ってしまう手もあります。その方が語彙が豊富です。小学生向けとして編まれた辞書は、賢い小学生には、説明も平仮名が多過ぎて読み難かったり、語彙が足りなかったり、します。
ただ、漢字の書き順が掲載されていたり、フォントが教科書体(とめ・はね・はらいが正確に反映されている……ゴシック体などはその点がいい加減です)等、小学生向けの辞書には、小学生向けの配慮があります。また、大人向けの辞書を引いても、説明が難しすぎて理解しにくいと、子供にとっては辞書をひく負担も大きくなります。
そうしたことを考慮すると、結局は平凡な結論ですが、「現在の語彙力に照らし合わせて、適切なものを」といったところでしょうか。

なお、あまり大きくて引っ張りだすのが大変なようだと、辞書を引く習慣が廃れる原因になりかねません。片手で無理なく持てるサイズのものをお勧めします。

既に述べた通り、国語辞典は小学生向けのものなら、国語辞典に漢字の書き順などが付随していることもあります。現状は面倒くさがりで、どうしても漢字字典を引かないというなら、せめて国語辞典に漢字字典が付随したものを買い与えて、「国語辞典を引くと漢字の画数も出ているから、ついでだから調べるか」と思ってくれることを期待する手もあります。
が、かえって国語辞典で済ませようとする癖がつく危険もあります。
きちんと国語辞典と漢字字典の両方使いこなせるなら、むしろ国語辞典は書き順の無いものを選び、書き順については漢字字典を引かざるを得なくするのも一案。
お子さんご自身の性情を考慮して選ぶべきかと思います。

電子辞書という選択肢もありますが、基本的には紙の辞書が良いでしょうね。電子辞書には、以下のような長所があります。

・小学生くらいの子にとっては、グッズとして魅力的。
もしかすると電子辞書を手に入れた嬉しさで辞書使用の習慣が強化されるかもしれない。ただし、すぐ飽きる可能性大。
・何冊分もの辞書の機能を手軽に持ち運べる。
ただし、この側面が本当に必要になるのは高校生になり、英和と和英と古語辞典と漢語辞典と百科事典が必要になってから。
・外国語学習に際して、発音を聞ける。
ただし、紙の辞書にも書いてある発音記号も読めないとダメ。録音してある音声をいくら聞いても、そもそも初学者の耳では音を正確に聞き取れない。

結局、電子辞書の使用が妥当なのは高校生以上かなと思います。


なお、国語辞典としては「新明解国語辞典」が、よく「最も売れている」と宣伝されています。高校で指定されることもあるそうです。
この辞書は非常に野心的な辞書で、意味の説明において言い換えを避けて本質的な説明に徹する(例えば「辞書」という言葉を説明する場合なら「言葉の意味を記した書物。辞典。」といったように、最後に「辞書」と同じ意味の言葉「辞典」を挙げて締める事が多いですが、「新明解」は「ある言語体系に含まれる語彙を網羅的に収集・列記し、その意味を解説して当該言語の語彙について調べ、あるいは学ぶ事を助ける目的で編纂される書物の事」などと、言い換えで済ませる事を避ける)全般的に踏み込んだ詳しい説明を付しています。
ただ、かつては踏み込み過ぎて癖が強い説明を付した辞書として有名で、好事家に好まれた、という一面も持っています。興味のある方は『新解さんの謎』でも読んでみてください。



この本もそう新しい本ではなかったと記憶していますが、未だに発行部数を伸ばしているようで。
とまれ、まだ国語の語感が出来上がっていない、説明文もあまり難しいと理解しきれない子供に買い与えるものではないように思います。用法が正しく紹介されているので、大人の2冊目に良いと言っている人がいますね。『新明解』そういう性格のものかと思います。

なお、以下のような記事を見つけました。この著者の主張には私も非常に共感します。ただ、残念ながら指摘に合った辞書が具体的に紹介されているわけではないのですが……参考までに。

http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/wp/2010/06/16/国語辞典入門辞書の例文-実例-不自然な例-表記/
posted by FORWARD-ac at 15:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 教材について