2015年01月26日

1molの気体は標準状態で何リットル?

のっけから赤で書きますが高校の化学の教科書には、「気体は標準状態で1molあたり22.4L」と書いてあります。1気圧(1013ヘクトパスカル)で摂氏0度のとき、1mol(化学で用いる個数の単位で、炭素12gに含まれる炭素原子の個数。だいたい六千垓個ほど)の気体は、気体の種類に関係なく、だいたい22.4Lになるという事です。

ところで、この「標準状態」というのは、いったい何者でしょう。「1気圧」は、おおよそ海抜ゼロメートルにおける平均大気圧ですから、まぁ地球上の「標準的な」環境として、そうおかしくはないかも知れません。しかし、なぜ0度を「標準」と呼ぶのでしょうか。寒すぎやしませんか。たとえば私は「地球の平均気温は15度」という話を聞いた事がありますし(それすら毎年かなり変動するので、何年から何年の平均なのか?)何をもって標準だと主張するのか、良く分からない部分があります。

そう思って「標準状態」をgoogle検索したところ、wikipediaに「標準状態」という記事があり、「気体の標準状態」について、次のように書いてあります。

標準状態には基準とする温度の選択によりSATPとSTPがある。(中略)基準の温度をセ氏25度(中略)とするものをSATP(標準環境温度と圧力、standard ambient temperature and pressure)と定義し、基準の温度をセ氏0度(中略)とするものをSTP(標準温度と圧力、standard temperature and pressure)と定義される。(中略)気体の標準状態としては、現在は主にSATPが使われる。

なんと! 標準状態は摂氏0度ではなく摂氏25度が普通だと書いてあります! さらに……

現在の標準状態圧力は(中略)100,000Paである。

なんと! 標準状態は1気圧(1013ヘクトパスカル)でもない!

すると当然、「気体は標準状態で1molあたり22.4L」ではなくなってきます。

1モルの理想気体の体積は、SATPでは24.8リットル、STPでは22.7リットル1997年より前は22.4リットル)である。

まだ高校教科書では22.4Lで教えているようですが。いつの間にか理科の数字も変わっているので、要注意です。
posted by FORWARD-ac at 22:24| Comment(1) | TrackBack(0) | 化学

2014年05月30日

酸化還元滴定・覚え書き

練馬から教育で世界を変える!
石神井公園の個別指導塾FORWARD塾長、松尾直樹です。

最近、生徒たちの指導で化学の酸化還元滴定を扱う機会があり、あちこち調べて知識の補強をしました。知らなくても丸暗記で問題は解けますが、やはり背景を理解している方がいい。
今日の記事は、化学を勉強していない方には、辛いと思います。スミマセン(^^;

Q:酸化還元滴定でよく出てくる、硫酸酸性とは何か
過マンガン酸イオン等を使った酸化還元反応で、事前に水溶液に硫酸を加えて水溶液を酸性にする。この硫酸が含まれたビーカー内の環境を硫酸酸性と言う

Q:なぜ酸性にしなきゃいけないの?
例えば過マンガン酸イオンは中性や塩基性の条件では、期待されているのと別な反応が起きる(中学受験で酸素の発生方法として紹介される「過酸化水素水+二酸化マンガン」の、二酸化マンガンが出来てしまう)可能性が高くなるので、望ましくない。そこで酸性にして、よけいな反応が起きにくいように制御している。過マンガン酸イオンは酸化剤として働く際に、酸素原子を渡す相手として水素イオン(オキソニウムイオンとかプロトンと言うことも)を要するが、酸性にすると水溶液中に水素イオンが豊富にある状態になるため、都合が良い。

Q:なぜ硫酸を使うの?
結論を言えば硫酸イオンは意外と酸化還元に関して安定だから。たとえば他の典型的な強酸のイオンである硝酸イオンや塩化物イオンと比べると、硝酸イオンは窒素が酸素を手放して酸化数を減らしがちで、酸化剤として働いてしまう。逆に塩化物イオンは電子を相手に渡して酸化数を上げがちで、還元剤として仕事をしてしまう。酸性条件を作るために投入した酸が酸化還元反応に加わってしまうと、反応が複雑になって面倒だから、使わない。硫酸イオンは、我関せずの態度を取ってくれるから好ましい。
posted by FORWARD-ac at 15:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 化学