2016年03月11日

地学が教える事・歴史が教えること

知識は力である。
練馬区は西武池袋線・石神井公園駅前の個別指導塾FORWARD塾長、松尾です。

今日は3月11日、東日本大震災の日です。既に震災に思いを馳せるエントリーを書きましたが、もう一本。巨大地震は周期的に起きます。従って、何月何日に起きるとはなかなか予測出来ませんが、「いずれ起きる」とは、100%近い確実性で指摘出来ます。それが地震に関して歴史が教えている事であり、地学が示唆する所です。

過去の歴史も参照しつつ、人類は地学の研究を続けてきて、遅ればせながら重要な知見を集積しつつある。教科書で勉強していると、あたかも知識は完成済みのパッケージのように見えますが、もちろん人類の蓄積した知見は十分ではなく、重大な発見、希望をもたらす開拓が日々続けられています。(古い知識が訂正される事もある。つい先日、私が高校生の頃に学んだ生物の知識が、今の教科書で否定されているのを発見しました)
こうした知的探求の価値を、我々はより一層認識すべきだし、学生諸君には熱心に学び、積極的にこの知見の集積に参加してほしいと願う次第です。つまり、勉強しようぜ、と。

地震に関して言えば、地震予知の方法や地震の被害を低減する技術が日々開発されていると同時に、地域や一人一人の防災能力を高める努力も欠かす事が出来ないでしょう。2011年の巨大地震は東日本大震災に限らず、ここ100年の間に世界中で何件も発生しているわけですが、いずれにおいても意識ひとつ、備えひとつで被害を低減できた部分もあれば、備えを怠って被害を拡大した例もあったでしょう。誰が悪いという事でもなく、一人一人が日常に追われる中で、数十年、数百年に一度の事件に対する備えのために、コストをかけ、リソースを費やす、その余裕を捻出できなかったという事です。私達には余裕がありません。しかし、その余裕を捻出していかなければならない。つまり、日々疎かにしてはいけない、と。

なんだか結論はありきたりですが……
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2015年05月08日

直立二足歩行する人類の発祥、有名な仮説が崩れていた

教育で練馬から世界を変える!
西武池袋線・石神井公園駅の個別指導塾FORWARD塾長、松尾直樹です。
地学トーク、続きます。

アフリカに「大地溝帯」またの名を「グレート・リフト・バレー」という地形があります。アフリカ東部を南北に縦断する長大な「谷」で、wikipediaによれば総延長(分岐を継ぎ足した長さ?)7,000キロ、幅は数十キロに及びます。アフリカ大陸の真下、地震の震源となるプレートなどよりもはるかに深い地球の深部、マントルの中に、高温の上昇流が存在し、それがアフリカ大陸を徐々に引き裂いた結果、生み出された地形です。

この「大地溝帯」実は人類の発祥と関係があるという仮説があり、説得力があるというので人気を博しておりました。曰く、アフリカ東部に生じた大地溝帯両側の山脈(火山活動なども活発になるので谷の両側は一般的にかなり隆起する)が大西洋からの湿った風を阻害するためアフリカ東部が乾燥し、森林が減退した。その結果、そこに住んでいた類人猿が木から木へうつるために大地を歩かざるを得なくなり、より長距離の歩行に適した直立二足歩行を身に付け、完全に空いた手は道具を扱うようになり、脳が発達して現在の人類が誕生した……と。これを有名な映画の「ウェストサイドストーリー」をもじって「イーストサイドストーリー」と言うんだそうです。wikipediaによれば「フランスの人類学者、イブ・コパンが1982年に提唱した」とのこと。

非常に有名な説で、小中学生向けの優しい科学本などにも(従って中学入試問題などにも)頻繁に引用され、ほぼ真実であるかのように、まことしやかに語られてきました。

が、近年この話の前提がことごとく崩れてしまい、コパン自身も撤回宣言を出したそうです。

wikipediaの「イーストサイドストーリー」の項目を参考に書き続けますが、ヒトが二足歩行を身に付けたのは600万年前頃と考えられており、大地溝帯の隆起が生じたのは800万年前……と、思いきや、800万年前に起きた隆起は小さなもので、本格的に隆起したのは400万年前くらいだと考えられるようになったそうです。
さらに、アフリカ東部の乾燥化は(当初想定されていた800万年前の話か、しっかり隆起した400万年前の話か、ちょっとよく分かりませんが……たぶん800-600万年前の話?)さほど進まず、森林は十分あったとのこと。
そして決定打は、そもそもアフリカ東部ではなくアフリカ西部から、二足歩行する上に、恐らく現生人類につながる祖先と思しき化石が見つかってしまった事です。「2002年にアフリカ西部であるチャドで600-700万年前と考えられるトューマイ猿人の化石が発見された」とのこと。このトューマイ猿人が生活していた環境は、「魚やワニの化石」が残っている事から推測して、湿潤な環境だったらしい。

つまり、人類が立ち上がった頃、山はそんなに隆起しなかったし、どこもそんなに乾燥していなかったし、そもそもその舞台はアフリカの東ですらなかった。コパンはトューマイ猿人発見の翌年には、潔く自説を撤回しています。長い間もてはやされた自説を即撤回したところは、学者として素晴らしい態度だと思います。そもそも、否定はされたものの、この仮説は地殻変動と環境変化と生物進化を結びつける壮大で野心的な仮説で、否定されたとは言え魅力的な仮説だったと私には思われます。コパン先生には、その魅力的な理論展開や、学者としての姿勢も含めて、改めて敬意を表したく思います。
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2015年05月05日

正断層が多い場所

教育で練馬から世界を変える!
西武池袋線・石神井公園駅の個別指導塾FORWARD塾長、松尾直樹です。

さて、本日は「有名な正断層」の話。

日本は、残念な事に、地震大国です。その原因は明らかで、日本という土地はプレートがせめぎあう土地だからです。そのため日本の国土を見回すと、地震の原因となる活断層が至る所に走っています。日本の断層は基本的に、プレートが押し合う力によって形成される、地層と地層が乗り上げて重なり合うようになった、逆断層です。私の知る範囲では、国内で正断層と言うと、僅かに九州に二筋、正断層の多い地帯があるのみです。

では逆に、世界中で正断層が多いのはどんな場所でしょうか。

有名な場所としては、アフリカ東部にアフリカ大陸を縦断するように走る「大地溝帯」と、その西側、大西洋の海底に南北に走る「大西洋中央海嶺」あたりでしょうか。「大地溝帯」は、一時期は人類の発祥と深い関わりがあるのではないかという仮説が有名でした。(今は否定されているようですが)「大西洋中央海嶺」は、恐らく地球史上最大の生物大量絶滅事件である「P-T境界事変」の原因と目されています。「大西洋中央海嶺」が裂け始めて、そこから大量の火山性噴出物が溢れ出て、地球環境が激変したため、地球上にいた生物の95%が死滅したそうです。
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2015年05月03日

日本は逆断層だらけ

教育で練馬から世界を変える!
西武池袋線沿線、石神井公園の個別指導塾FORWARD塾長、松尾直樹です。

地震の原因となる「活断層」という言葉が有名になっています。「活断層」とは、ごく大雑把に言えば「活動している断層」のことです。という事は、あまり活動していない断層も存在するわけですね。「活断層」も「活じゃない断層」も含めて、「断層」と言います。地学で勉強します。地学の教科書には、崖などに露出した断層の写真やイラストが乗っています。岩石が積み重なってできた「地層」にバキリと割れ目が走って、層がずれています。これが「断層」です。(見てみたい方は「断層」をgoogle画像検索して下さい。便利な時代です)

断層には「正断層」と「逆断層」の二種類があります。地層の積み重なった岩の重なりがあったとして、そこに力がかかって、ナナメに亀裂が走ります。そのとき、「正断層」と「逆断層」は以下のようになっています。

「正断層」
・両側に引っ張られる力が働いている
・つながっていた地層が離れるように、斜め上側の地層がずり落ちるようになっている

「逆断層」
・両側から押しつぶされる力が働いている
・つながっていた地層がズレ重なるように、斜め上側の地層がずり上がるようになっている

日本は多くのプレートがひしめき合い、押し合う力が働いている土地なので、日本のそこら中に断層は存在し、その多くが逆断層です。ただし、私の知っている範囲では九州に、鹿児島湾を引き裂いて海中から熊本南部に至る線と、島原から別府にかけて九州中北部を東西に走る線(途中やや南に阿蘇山がある)の二カ所では、正断層が見られるそうです。私のイメージですが、逆断層は大地震、正断層は巨大火山噴火の原因になりがちなように思います。
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2014年12月28日

恐竜絶滅の隕石 もう一個あった!?

教育で練馬から世界を変える!
石神井公園の個別指導塾FORWARD塾長、松尾です。

なんだかエイプリルフールのネタ記事のようなタイトルを付けてしまいました(苦笑)が、ネタでも何でもなく、恐竜を絶滅に追いやった隕石はひとつではないという説が浮上しているのだそうです。数十万年以内に二つの隕石が相次いで(だいぶ間があいている気もしますが、恐竜が繁栄した中生代が2億年続いたのと比べれば、相次いだ、と言っても良い?)地球に衝突し、大絶滅を引き起こしたらしいです。

地質年代を分ける明瞭な線として、古生代と中生代を分けるP-T境界と、中生代と新生代を分けるK-T境界(恐竜が絶滅した際のもの)が有名です。僕の記憶では、僕が小学生だったころ、今から20年かもう少し前くらいに、恐竜絶滅の原因は隕石だという話が一般レベルにも定着したように思います。隕石落下は以前から恐竜絶滅の原因のひとつとして可能性が取りざたされていましたが、中米ユカタン半島に隕石の落下跡が確認され、定説となりました。(あまり関係ないですが、ユカタン半島の隕石跡は地図を見てもまったく何処だか分からないんですよね。現地で「セノーテ」と呼ばれる鍾乳洞の陥没穴の分布が、クレーターの外周を示している、らしいですが)

さて、最近になって、ユカタン半島に落ちた隕石の30万年ほどあと、もうひとつインド洋に巨大隕石が落ちている事が発見されたそうです。インド沖にあり、巨大な破壊をもたらしたというので、ヒンドゥー神話の破壊神「シヴァ」の名を取り「シバ・クレーター」と名付けられたとか。浅い角度で隕石がぶつかった事、その後の地殻変動の影響を受けた事で、クレーターらしい円形にはなっておらず、海底という事もあり今まで気づかれなかったのでしょう。しかし、クレーターの大きさは極めて大きいようです。wikipediaには「地球上最大の隕石クレーター、フレデフォート・ドームを上回る」とあるので、「シバクレーターは地球上最大のクレーターである」と言って良いんじゃないかと思うのですが……今のところは、調査中のためか、上記の持って回った表現になっております。

ちなみに、現生人類の歴史は高々10万年か、長めにとっても50万年さかのぼるのは難しいのが現在の一般的な見解のようです。今日のような消費生活が生まれたのは、たったの200年ほど前。地球のスケールは大きい
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2014年12月24日

火山噴火の影響はどれくらい大きくなる?

練馬から教育で世界を変える!
西武池袋線・石神井公園駅の個別指導塾FORWARD塾長、松尾直樹です。

地球滅亡みたいな話ばかりしていると、子供達から「中二病」と揶揄されるのですが……いえいえ、これは地学の話です!!

隕石は大きいものが落ちたら、地球には破滅的な影響が出るとイメージできます。しかし、火山はどうでしょう? 火山活動でどれだけ被害が出るのだろうか。正直なところ、私は最近まで、火山でそんなに広範な災害が発生するとは考えていませんでした。しかし、それは間違っていたようです。

身近なところで日本国内を見ると、例えばwikipediaの「破局噴火」の記事に「7300年前に鹿児島県南方沖の海底火山(鬼界カルデラ)で起きた巨大噴火が、当時の南九州で栄えていた縄文文化を壊滅させたことは、考古学上よく知られている……火砕流は半径100kmの範囲に広がり、大分県でも50cmもの厚みのある火山灰層が観察される」とあります。wikipediaでその「鬼界カルデラ」の記事を読むと、「西日本、特に九州の先史時代から縄文初期の文明も人もこの噴火で途絶えたと考えられている。縄文初期の遺跡や遺物が東日本・東北に集中している理由と考えられている」とあります。縄文時代の先進的な技術遺構のある遺跡というと、青森県の三内丸山遺跡が著名ですが、鬼界カルデラの噴火が無ければ日本中に同様の優れた文明が築かれていたのかもしれません。

さて、鬼界カルデラの噴火よりゼロひとつ多い7万年前に、東南アジアのトバ火山と呼ばれる火山が噴火したそうです。この時はそのまま地球がヴュルム氷期に突入。当時地球上に生きていた人類は現生人類とネアンデルタール人を除いてほぼ絶滅。現生人類も地球総人口1万人程度まで激減したそうです。

さらに、恐らく地球史上最も生命を脅かした火山活動は、巨大大陸パンゲアを分断した溶岩噴出だそうです。その影響による長期間の太陽光遮蔽、寒冷化、酸性酸化物の流入による海洋の深刻な酸性化と酸素欠乏により、地球上の生命の90%以上が絶滅し、あまりに生命が失われ環境は破壊されたために、長期にわたり生物種の回復が遅れたそうです。この事件を境に古生代と中生代を分け、古生代の最後、ペルム紀と中生代の始まりである三畳紀の頭文字をとって、この一連の大量絶滅事件を「P-T境界事変」と呼ぶそうです。


地震も恐ろしい災害ですが、火山活動も破滅的な影響を及ぼす。こうして見てみると、我々が経済活動を行っているこの土地は、実に薄氷を踏むようなものであると思い知らされます。明日起きるというのではないけれど、いつかは必ず、大地は再び火を噴くのでしょう。人類は驚くほどの科学文明を発展させましたが、未だ以って、こうした大規模な現象に対して、私たちは呆れるほど無力であり続けています。
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2014年12月19日

平らなフランス・山国日本

教育で練馬から世界を変える!
石神井公園の個別指導塾FORWARD塾長、松尾です。

本日は単発の話題です。突然ですがフランスの地理について。

改めてフランスの地図を見ると、ひどく違和感を感じます。ペッタンコなのです。山が無い。
東の国境線にヴォージュ山脈というのがあるが、たいして急峻ではない。
ヴォージュ山脈の南にジュラ山脈がある。地質年代区分で言うところの「ジュラ紀」の「ジュラ」です。ジュラ山脈はちょっと急峻。
それから更に南にアルプス山脈。これは誰でも知っている急峻な山脈。ここにフランス最高峰モンブランがある。
あとスペインとの国境にピレネー山脈。けっこう急峻。

というわけで、国境に山脈が四筋ある。あとは南東の方はちょっと高くなっている。以上です。

これと比べると日本は実に山国だなと実感させられます。日本の中学受験生が、いったいどれだけ沢山の山地山脈を覚える事か……びっくりするほどペッタンコな、フランスです。
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2014年06月20日

日本が乗っているプレート

日本は地震が多い。それは当たり前の事で、日本はいくつものプレートがせめぎあう場所に位置しているから、プレートが頻繁に壊れて、その度に地震が起きる。

ところで、そのプレートを見直していて、これは恐ろしい、と思ったのでした。日本が乗っているプレートは、プレートの中の両横綱ではないか。大きなプレートだから大きな地震が起きるとは限らない気もするけれど、とりあえず、迫力が違う

日本が乗っているのはなんというプレートの上でしょうか。教科書を見れば載っていますが、北アメリカプレートユーラシアプレート、フィリピン海プレート、それに小笠原諸島の成因である太平洋プレートですね。

ところで、プレートの動きというのは地球の46億年の歴史の中では、何度も変化しているそうです。現在の動きは、Wikipediaによれば、2億年前ごろパンゲア大陸の分裂と共に始まった動きだそうです。大きな大陸が形成されると、大陸の下で地熱が逃げ場を失って溜まり、マグマとなって地表に噴出し、プレートを割って、プレートが分かれていく(従って上に載った大陸は分裂していく)事になるそうです。パンゲア大陸の分裂で出来たのが、大西洋です。その大西洋を見ていて「ん? 東岸と西岸の凹凸がぴったり一致するな……」と気づいたのが大陸移動説の最初だったのは、有名な話。

で、パンゲア大陸をかち割って大西洋を作った、その一方のプレートがユーラシアプレート、他方が北アメリカプレートです。そっからぐるりと地球を一周して、日本とシベリアでゴッツンこしている。大西洋を作ったプレートが日本で喧嘩しとるわけです。

だから地震が大きくなるとはいえないと思いますが。
いま巨大地震の原因として注視されている「南海トラフ」は、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境目です。
posted by FORWARD-ac at 13:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 地理・地学