2014年07月08日

反抗期が無くても驚く事ぁありません

先日雑談で「反抗期が無いのは変じゃないか」という意見を聞かされたんですが、私の返答は「んなことぁ、ないです」であります。反抗期は絶対無きゃいけないものでも、無かったら異常なものでもない

子供の心の成長を論じる発達心理学の話なんかでは「反抗期は子供が必ず通る道であり、健全な精神発育過程である、自然な事である」とよく書いてある気がするんですが、そもそも10歳前後で丁稚奉公に出された江戸時代の子供達なんぞに、反抗期だと言って奇をてらった格好をしたり周囲の権威に逆らったりする余裕もあろうはずが無いわけです。「人間なら必ず反抗期を通る」とは限らない。

少し理屈をこねると、反抗期とは自我の確立期であり、社会に出て行く準備期間ともなっています。そこには「両親の庇護から離れる準備として、両親の指示や判断を拒否し、自分独自の判断力を行使する」「社会に参加するにあたり、自分がどのような大人になるのかを模索する」「とりあえず、同年代の周囲の仲間から認められようとする」といった側面がありますが、そもそも同年代の子供ばかりが集まるようになったのが、恐らく義務教育の普及以降ですから、それ以前は「同年代の周囲の仲間から認められ」ようにも、周囲の仲間の構成が違ってしまうし、身分制社会で自分が何になるかを選ぶ余地が少ないような時代には、「自分がどのような大人になるのか」は模索する必要のない課題だったでしょう。反抗する前提が、恐らく近代になって成立したものであるというわけです。

私の感想としては、むしろ反抗期なんてものが出現した近代社会が異常なのであって、反抗期がない事は、別にちっとも異常じゃない、と思います。


ところでwikipediaには「反抗期」という記事がないんですね。「思春期」はあるけれど、もっぱら医学的・生理的な変化の事ばかり書いてあって……
タグ:反抗期 近代
posted by FORWARD-ac at 14:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 子供について

2014年07月05日

「逆像法」覚え書き

今日の新規習得事項。数学を特に勉強している方でないと厳しいかも知れません。

「逆像法」

■とりあえず、それは何なのか
係数に変数を含む y=f(x) のグラフの領域を求める際、そのままの形の式を睨んで変数を動かした時のグラフを直に描いていく攻め方を「順像法」と言い、変数を動かすのではなく、(変数)=g(x,y)の形に変形してから、変数が実数として存在しうる(x,y)の範囲を求めるという発想で解く攻め方を「逆像法」という。

■例えばこんな問題で……
たとえば、以下の関数のグラフにおいてaを任意の実数とするとき、グラフが通過し得る領域を求める。

y = 2(a+1)x - a^2 + 1(ただし「a^2」は「aの二乗」の意)

順像法だと、とりあえず「a」にいろんな値を入れてみる。そもそもこの関数は直線のグラフを表すものだけれど、aにものすごく大きな数を入れると、直線の傾きがものすごく大きくなって、ほぼ垂直な、ほとんどy軸に平行な線になる。そのとき、y切片もかなりスゴい値になって、「a^2」に負号がついているから、ものすごく下の方を通る。ちょっとイメージしにくいですね。
「a」に0を代入する。傾きは2で、y切片は1になる。
「a」に-1を代入する。傾きが0で、つまり水平、x軸と平行になる。y切片は0になる。
「a」に-2を代入する。傾きは-2で、y切片は-3になる。

この三本の直線を引いてみると、x=-1を対称の軸として、左右対称な状況が見えてくる。
うーん。たぶん、放物線でしょうね。点(0,1)、(-1,0)、(-2,1)を通る放物線を思い描くと、うまくいきそうです。その放物線の外側が、たぶんグラフが通過する領域です。
ただ、答えはだいぶ見えて来ているものの、ちょっと手間がかかっているし、まともな証明になっていません。まだ続く。

逆像法だと、まずは与式を「a=」の形に直すところからです。

y = 2(a+1)x - a^2 + 1
y = 2ax + 2x - a^2 + 1(カッコを外して展開)
y - 2x - 1 = 2ax - a^2(aを含まない項は左辺へ)
y - x^2 - 2x - 1 = -x^2 + 2ax - a^2(ちょっとトリッキーですが、両辺にマイナスのx二乗を追加)
y - (x+1)^2 = -(x-a)^2(両辺ともxについて平方完成できます)
(x+1)^2 - y = (x-a)^2(両辺とも-1倍した)
±√{(x+1)^2 - y} = x-a(表記が分かりにくくて恐縮。左辺は中カッコ全体にルートがかかっています)
a = x ± √{(x+1)^2 - y}

さて、(x+1)^2 - y がルートの中に入っています。この部分が負の値になると、ルート部分が虚数になってしまうのでaが実数でなくなる。それは困るので、y ≦ (x+1)^2 という範囲が得られる。とまぁ、こんな具合です。


■逆像法の「像」とは……
順と逆という文字の意味は一見して明らかですが、「像」という文字が入っているのが、イマイチ謎です。この「像」Wikipediaを調べると、集合論の言葉だそうで。「写像」とかと同じ「像」であり、つまり「逆像法」の背景には、aと(x,y)の関係を集合から集合への写像と捉える発想がある、と。そんなところでしょうか。
posted by FORWARD-ac at 22:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 数学