2024年06月22日

永らく投稿をサボってしまいました。

塾長の松尾です。実は最近、複数の方に「もうブログは書かないのか」「ブログを更新していませんね」とご指摘を受けてしまい、見ている方もいるのだ……と反省したところです。

しかしながら、ブログという形式も過去のものとなった感がある、とも感じています。Twitterの方がユーザ間の交流が密で、多くの反応が得られて手ごたえがあることがあり、もっぱらTwitterへの発信を強化していました。(そのTwitterがまたイーロン・マスクによる買収、そして「X」という、他のものとの誤認を誘発するような名前への改名を経て、終焉に向かいつつあるとの指摘も出ている現状なのですが……)

ブログ投稿を行っていたころと現在では、まるで世界は様変わりしてしまいました。
変わったのはインターネットの情報発信トレンドだけではありません。
安閑と学芸を楽しんでばかりいられない、窮迫した社会を生きています。
子どもたちも、のんびりさせる余裕が我々大人の側に無くなってきていると感じます。
だからこそ、時代を生き抜くための教育をせねばなりません。

誰もが、物事の在り方、社会の在り方、自分の在り方を根本的に見直す必要に迫られていると、私はそのように感じています。
posted by FORWARD-ac at 16:53| Comment(0) | TrackBack(0) | ごあいさつ・漫談

2019年05月18日

「知りたいことだけ知れれば良い」という発想の貧困

NHKのニュースサイトが、若者のメディア意識を入り口に、我々がどのように情報と接しているか、それが社会の分断に繋がっていると指摘されているが、何らかの解決への希望は無いのか、論じています。
(NHKのニュースサイトは短期間でURLが無効になってしまうので、元記事は見られないかもしれません)


“知りたい情報”だけで十分ですか?
WEB特集 2019年5月17日 12時50分
NHK NEWS WEB

記事に引用された若者の言葉に、私は記事の論旨とは違う違和感を感じました。
また、私の仕事に引き寄せて言えば、「そんなことでは学びも深まらなくて当然だし、折角学んだことも生きる中で活かすことが出来ない」と思ってしまいます。情報への意識のあり方は、根本的な学びの姿勢と深く結びついています。

「テレビのニュースって、都合のいいように編集されている感じがして、信じられないです」
「今起こっていることを知るにはTwitterのタイムラインを見ればいい」


確かに、いかなるメディアも、そのメディアそのものの政治的立場や、メディアに資金を提供している企業、政治団体の意向、法制度や許認可権・取材権限の与奪を通じて圧力をかける政権の影響を受けていると指摘されています。限られた時間の中で、人間が何を伝えるか決めている以上、いかなる偏向もなく世界の真実を伝えるメディアなど存在しえない。しかし、それはテレビに限ったことでは無いし、それを承知の上で様々なメディアから情報を収集し、偏向した情報どうしを突き合わせることで、おぼろげにせよ実像の片鱗が見えてくるものでは無いでしょうか。「信じられない」が結論になって、だからTwitterでいい、というのは、私には恐ろしい暴論に思われます。

若者たちのインタビューを踏まえて、半年後に行った世論調査の結果については、次のように紹介しています。

「自分が知りたいことだけ知っておけばいい」という感覚、全体では31%ですが、男女20代では44〜45%と、半数に迫りました。

「インターネットを情報ツールの中心に据えると、自分の知りたいことしか知ろうとしなくなる」とは、はるか以前から言われていました。そういう姿勢に対して警鐘は鳴らされていました。しかし、けっきょく若い層で、その危惧された通りの意識が広まっていることを示唆する結果です。

NHKの当該記事は「若者たちが、SNSで触れる、自分と似通った感覚や意見を反映した情報ばかりにどっぷり浸かって、それを信じきってしまうかといえば、そうではない。SNSに対しても『半信半疑』という冷めたスタンスを取る様子も見受けられる」と現代的なメディアリテラシー向上の可能性を指摘し、前向きな見方で話を締めくくろうとします。しかし、私には、まさにネットの弊害が如実に現れつつあるという調査結果ではないかと感じられます。

自分に都合のいい情報ばかり見てしまう、というのは、今に始まった話ではありません。第二次世界大戦の日本軍の惨敗の一因としても、同じことが指摘されています。しかし、それが多少なりと改善されていって欲しいと願う身としては、改善どころか悪化傾向とは、残念でなりません。


より多くの情報を貪欲に収集し、その知識を「誰が、どのような背景の元で編集した情報か」も含めて分析し、同じような事柄についての複数の観点を重ね合わせて事物の実像に肉薄し、そうして積み重ねた知見の中から、曲がりなりにも「世界観」と呼びうる見識を打ち立てることで、個々の情報は豊かな意味を帯びる。そうなってこそ知的活動は本物になる。それが正しい勉強だと思うのですが。

古典なんか勉強しなくて良いんじゃないかとか、三角比なんて何の役にも立たないとか、そんなレベルの低い話をしているから、徒らに世を惑わして問題を何一つ解決できないのだろうと思わずにおれません。若者に「自分が知りたいことだけ知っておけばいい」という感覚が広まっていると指摘されていましたが、情けない中高年もなかなか多い昨今です。
posted by FORWARD-ac at 20:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 「学び」について

2019年05月05日

英和辞書を使いこなせていない子供が多い

ツイートもしましたが、こんなニュースが目に飛び込んできました。

スマホに押された電子辞書11年ぶり出荷増 小学校 英語教科化で
NHK NEWS WEB
2019年5月5日 14時51分

スマートフォンの普及などで減少が続いていた電子辞書の出荷台数が去年、11年ぶりに前の年を上回りました。背景には英語学習の低年齢化にあわせた製品の強化がありました。
事務機器メーカーなどで作る「ビジネス機械・情報システム産業協会」のまとめによりますと、電子辞書の去年の国内の出荷台数は110万804台で、前の年より8.5%増加しました。
電子辞書の出荷台数はスマートフォンの普及などで減少が続き、おととしにはピーク時の3分の1ほどに落ち込みましたが、去年は11年ぶりに前の年を上回りました。



ピーク時の1/3とは、ほとんど壊滅状態と言って良い。恐ろしいものです……8.5%も伸びたなら、市場環境の悪化に耐えて電子辞書を作っていた業界には、ちょっとした特需ですね。子供の数は年々減るとはいえ、しばらくはこの趨勢が続くでしょう。

それはそうと、中高生で英和辞書をうまく使いこなせている生徒はほとんどいないのではないかと思います。辞書は英単語を日本語に変換するだけのツールではない。置き換える単語の意味だけでなく、文法事項を踏まえた用法や、例文から滲むニュアンス、語源に関する説明などを読み取らねばなりません。
逆にそうしたものを読み飛ばす勉強をするなら、わざわざ紙の辞書や電子辞書を使わずとも、携帯で検索したり、Google翻訳にかけたりすれば、それらしい訳が手軽にわかるので、子供たちはツイッター上などで「単語は辞書で調べるか、スマホで調べるか」「なんでスマホで単語を調べるのを否定されなきゃならないのか」といった議論をしている。周囲の大人がきちんと教えないといけないのです。

仕事は多い。
posted by FORWARD-ac at 19:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 英語

2019年04月28日

サツマイモで世界市場へ!年商9億円ベンチャー

NHKの記事が面白かったので、ご紹介します。

“さつまいも王”に俺はなる!
ビジネス特集|NHK NEWS WEB
2019年4月23日 19時14分

「さつまいも王になるー」冒険マンガの主人公のような夢を真顔で語るのは宮崎県のベンチャー企業の社長です。この企業、アジアへのさつまいも輸出で急成長。家族4人でスタートした会社を5年で年間売り上げ9億円にまで拡大させました。

記事に登場する池田誠さんは、家業を継ぐ形で宮崎のサツマイモ農家を営んでいたものの、海外では国産のサツマイモが高値で取引されると知り、自ら輸出会社を立ち上げ、海外の市場調査から国内とは違う好みにマッチした芋を確保し、また新しい販路を開拓するなどして、上記の通り、年間売り上げ9億円を実現しているといいます。起業家としても大成功ですし、海外で活躍できる日本企業として心強い存在感です。

以前から生徒に「農学部やバイオ系は需要が期待できる、農業や食品関係は今後アツい分野だ」と指摘してきましたが、まさにこの記事がレポートしているような話があるので、優秀で志ある若者が飛び込む価値があると思う次第です。国産農作物の輸出は、こうした個々人の力に支えられて伸びていくのでしょう。自分でビジネスを立ち上げたいと思う若い人たちにも、読んでほしい記事です。
posted by FORWARD-ac at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 市場・経済

2019年04月22日

数字に追われる子供たち

タイトルはミスリーディングかもしれません。大人だって数字には追いかけ回されている。ただ、それはそれ。ここでは子供の話を。
また、今に始まった話ではないと思います。平成が始まったばかりの頃のアニメで、主人公の母親が「テストやゲームの点など、目に見えるものばかりを追いかけるようになってしまう」ことを心配する場面があったのを覚えている。その頃には特殊な主張ではなかったということでしょう。

とはいえ、今は子供達に人気の職業「ユーチューバー」が、閲覧数やフォロワー数が命。普通の子供たちも、LINEの友達の人数や、インスタのフォロワー数を見たりする。ゲームの点数も、その場でスマホを見せ合って比較できる。
今の子供達がどれだけ数字に影響を受けているか、正確なことは(それこそ定量的な調査でもして数字で比較しないと)分かりませんが、教育者としては非常に気になる。目の前の点数しか見えなくなっている子は勉強できるようになりません。点数を取るための勉強は面白くないし、点数が取れればいい勉強は深い理解に到達しない。

もちろん、いつの時代も本質を見抜く力のある人間は、ごく若いうちから何を重視すべきか判断できているでしょう。
だが、こうも数字で人が評価されるツールに(特に勉強以外の、趣味や気分転換に類する部分まで、一部のゲームに夢中な子どもばかりでなく、スマホを持っている多くの子供達が)どっぷり浸かっている状況では、少なくとも「普通」な子供達が数字の呪縛からなかなか逃れられない状況は続くのだろうなぁと、最近思ったのでした。

技術、社会の変化で、進歩する部分もあれば、いつまでたっても変わらない部分もある。
ぶれずに高い目標を掲げ続けたいと考えています。
posted by FORWARD-ac at 16:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 子供について

2019年04月20日

勉強法を文字で語る限界

ずっとブログを放置していましたが、振り返ってみると書きかけで放置しているテーマがいくつもありますね……目につくところでは、菅原道真の父祖や子孫の話。この記事は菅原文時(菅三位)という人物に興味を持ったのが切っ掛けで書き始めたのでした。
菅原家という一貴族の興亡を紐解くと、平安時代の日本が中国文化の影響を受容し、しかしやがてそこから離れていく過程を眺めることができる。これは非常に興味深いテーマでしたが、うーん、私の中で解決してしまった感があり、続きを書くモチベーションが今は乏しいのを感じています。もしかしたら、また書くかもしれません。

それから勉強法。最終的には塾を必要としない勉強法をまとめてみたいと考えていたのですが、よく言われることではありますが、「勉強法」をいくら読んでも聞いても、それで実際に正しい関心を胸に勉強量を稼がなければ、実際に知力は育たない。そして、何を胸に抱くかということ、これが文字では伝えにくい。つまり文章で勉強について語ること自体の虚しさを感じるようになりました。

よく志の無い子供たちは「普通がいい」「普通に生きていければいい」などと言いますが、その「普通」が、子供達がこれまで生きて、漠然とイメージしてきたような「普通」でなくなっている。日本でも他の先進国でも「中流」が崩壊し、その変化は、私の判断ではそうすぐには回復しない。そう考えると、もはや「普通で良い」という考え自体が危険であると私は感じています。
だからと言って、まだ信念というものを持ったことのない子供に「勉強法:まず志を高く持とう」と言っても響かない。荷の重いことですが、それは姿勢で示さなければならない。

ここ数年、小さな塾を守って、少ない生徒を教えて、それで半分満足してしまっていたようなところがありますが、一周回って、それではやはり不足であると考えを改めました。
世界を、破滅的な見通しから救うために、できることを模索しなければ。
posted by FORWARD-ac at 17:42| Comment(0) | TrackBack(0) | つぶやき

2019年04月15日

ご無沙汰しております

一年以上、投稿の間を空けてしまいました……

随分、書きかけで放置してしまっている記事も多い。反省です。

実は、もう直ぐ塾を始めて10年が経とうとしています。まだ大学を出て、大して経っていない気もするのですが、卒業生の顔ぶれを考えると、やっぱり時間は経っている。
このところで私の考え方なども、少し変わってきました。自信がついたということもある。余裕が生まれた部分もある。

もう少しアクティブに活動してやろう、という気持ちもあります。

このブログも、もっと気軽に更新するか、あるいは今時、下手に長々と書くより、喋ってしまったほうが早いという気もしています。いろいろと模索しています。

このブログも、実はお読みくださっている父兄の方、また生徒もいるらしいので、何らかの活かし方を考えます。


今日のところは、とりあえずのご挨拶でした。
では、また。
posted by FORWARD-ac at 16:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ごあいさつ・漫談

ご家庭より頂いた授業の感想を掲載します。

 FORWARDで開講している教養ゼミナールについて、受講生父兄より嬉しいメールを頂きましたので、内容を若干書き換えて掲載します。本講座は当塾の独自性が最もよく現れた講座であると自負しています。受講生は随時募集中ですから、興味のある方は、ぜひご連絡ください。


 息子はなんだかんだと中学2年の終わりごろから参加させていただいていますが、あの授業を毎回とても楽しみにしています。それこそ入院中だろうが、旅行中だろうが、塾に行かない時はスカイプを繋いでも参加していましたから。
 明らかに同年代の友人より社会的な関心は広がりを持つようになりました。理数科目が好きで、歴史社会は全く関心の無い子でしたが、現代の世界情勢、地球規模の問題などを自ら語れるようになってきています。物事の見方も、親の意見に対し、別の視点から指摘するなど、松尾先生の影響の大きさを常々感じています。
 記述力のテクニックは、ラスト1年でも学ぶことはできるかもしれませんが、物事を多面的に論じるには長い時間をかけて蓄えた知識や教養をベースにしなくてはなりません。すぐには成績に結びつきにくく、効果を測れないものではありますが、本や新聞を読んだり、ニュースを眺めているだけでは深く理解し得ない問題を掘り下げ、考えさせていただく授業は、息子にとって他では得がたい経験です。特に新聞を読まない彼には。
 授業で扱ったオバマ前大統領の演説や、紹介されたニューズウィークのサイエンス版をネットで読んだり、授業中もiPadで疑問をすぐに調べる習慣がつき、疑問を調べる、興味を惹かれたことを自分でググって深めていくようになりました。
 毎回の授業での話題が点として少しずつ増え、それらが網の目のように知識として広がっているように感じています。教養ってこういうものだろうなと思います。
 対話しながら疑問を投げかけ、調べて納得する、まさにアクティブラーニングであると思います。
posted by FORWARD-ac at 15:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 宣伝・告知

2018年02月07日

どうすれば短期間で成績が伸びる?

いいしばらく更新をサボってきましたが、英語の速習講座を準備していて、ふと「どうすれば速習ができるのか」というテーマで記事を書く気を起こしました。

そもそもですが、どんな子でも同じ方法を使えば短期間で成績が伸びる、という事はありません。生徒それぞれに抱えている課題が異なり、既に持っているけれど発揮できていない能力というものもあり、そうした潜在能力や課題にフィットした方法を見つけ出さなければ(そのためにはまず、どのような潜在能力があり、何が課題なのかを突き止めなければならない)急に伸びたりはしません。この点を勘違いされている方も多いやに感じますが、学習者はそれぞれ個性があり、個性を尊重しなければ華々しい学習成果は出ないという事を最初に強調しておきたく思います。


■比較的うまく行く方法を三つ

とはいえ、比較的幅広く通用する方法というのはあります。以下にさっと思いつく範囲で3点列挙しましょう。

 ・信頼できる指導者に出会う
 ・資源を集中投下する
 ・整理され体系だった説明を受ける

以下に一つずつ簡単に説明を付していきます。


■信頼できる指導者に出会う

そもそも、多くの学習者は成績を伸ばすに必要な勉強量を確保していません。しかし、自分の勉強が進まなくてもいいと思っている学習者は、実はかなりの少数派です。少なくとも日本の社会には「勉強ができるのは良い事」「成績がいい、頭がいいと言われたい」という感覚は広く行き渡っているので、この社会常識を「気にも留めない」というのは、余程の自由人さんにしかできない事です。
では成績を伸ばしたいのに勉強しないのはなぜでしょうか。多いのは自分は勉強してもそれほど成績が伸びないと思い込んでいるパターンです。逆にいえば、これで自分も成績が伸びるぞと思たら、勉強量は強制されなくても自然と伸びるのです。
そして、「これなら自分も成績をのばせそうだ」と自信を持つきっかけになり得るのが、信頼できる指導者との出会いです。私自身のことはさて置き、そのような指導者になるためには、学習者が安心して自分を表現できる(縮こまっていては、知性が伸びるはずもない!)関係を作り、前向きな気持ちを持たせ(笑顔でいる事は大事!)そして的確な学習指導を提供しなければなりません。(なかなか荷の重い事です……汗)

記事がちょっと長くなってきてしまったので、続きは、また。
posted by FORWARD-ac at 16:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 学習法について

2018年02月04日

春休みの英語速習講座

昨日に続きまして、告知です。中学の新学年が始まる前に、英語を一挙に速習してしまおう、という講座を開講します。以下が案内ページです。

英文法導入ハイレベル講座

本講座のみの受講であれば、管理費は申しうけません。基本的には「勉強の習慣が付いている、論理だった説明が得意な、新中学一年生向けの講座」ですが、現中1、中2で英語の語順に対する認識を鍛え直したい、という生徒諸君にもオススメです。内容には自信ありの講座。ぜひ奮ってご参加ください!
posted by FORWARD-ac at 20:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 宣伝・告知